「パソコンを買い替えたいのに、なんか前より高くない……?」と感じているあなた、気のせいじゃありません。2026年4月現在、パソコンの価格は前年比で10〜20%も値上がりしています。

PC Watchが国内PCメーカー13社にアンケートを取ったところ、6割以上がすでに値上げを実施済み、または2026年春までに値上げ予定と回答。しかも4割弱が「11〜20%の値上げ率」と答えており、これまでにないレベルの価格上昇です。

この記事では、なぜこんなに高くなったのか理由をわかりやすく解説しつつ、「それでも損しないパソコンの買い方」を5つ紹介します。今すぐ買うべきか、待つべきかの判断基準もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

なぜパソコンが値上がりしているの?3つの原因

2026年のパソコン値上げには、大きく分けて3つの原因が絡み合っています。

原因1:AIブームで「メモリ」が奪い合いになっている

ChatGPTやGeminiなどのAIサービスを動かすには、巨大なデータセンターが必要です。そのデータセンターでは大量のDRAM(メモリ)やSSD(保存装置)が使われます。

ざっくり言うと、AIに使うメモリの需要が爆発して、一般のパソコン向けメモリが後回しにされている状態です。セミコンポータルによれば、2026年第1四半期のDRAM価格は前四半期比で90〜100%上昇と過去最高の上昇率を記録しています。

世界のDRAM市場はサムスン電子・SKハイニックス・マイクロンの3社で93%を占めており、各社がAIサーバー向けに生産を優先しているため、パソコン用のメモリが品薄になって価格が上がっているわけです。

原因2:円安で仕入れコストが跳ね上がっている

パソコンの部品はほぼすべて海外から輸入されます。つまり、円安が進むと仕入れ価格がダイレクトに上がるんです。

わかりやすく言えば、以前は1,000ドル(約11万円)で仕入れられたパソコンが、円安の今は約15万円かかるようになった、ということ。これだけで約4万円のコスト増です。

原因3:トランプ関税で半導体にも25%の上乗せ

2026年1月、アメリカのトランプ大統領が半導体に25%の関税を課す大統領令を発出しました。CNN Businessの報道によれば、特定の高性能チップが対象ですが、半導体全般への追加関税も検討されています。

パソコン本体への直接関税は現時点では見送られていますが、部品レベルで関税がかかれば、それが最終的にパソコンの価格に上乗せされる構造です。Consumer Technology Association(CTA)は、最悪のシナリオではノートPCやタブレットの価格が46%上昇する可能性があると試算しています。

価格はいつ下がるの?

残念ながら、2026年中に大幅に下がる見込みは薄いです。

S&Pグローバル・レーティングは「メモリの供給逼迫は2026年まで続く可能性が高く、正常化は2027〜2028年ごろ」と予測しています。半導体メーカー各社が設備投資を進めているものの、新工場が稼働して供給が追いつくのは2027年以降になる見通しです。

つまり、「もうちょっと待てば安くなるかも」と先延ばしにしても、少なくとも1年以上は今の価格帯が続くと考えておいたほうがいいでしょう。

損しないパソコンの買い方5つ

値上がりが続く中でも、工夫次第で出費を抑えることはできます。

1. 決算セール・年末年始を狙う

パソコンが安くなる時期は決まっています。3月(本決算)・9月(中間決算)・12〜1月(年末年始)の3大セール時期は、メーカーや量販店が在庫を処分するために値引きを行います。2026年4月現在、次の狙い目は9月の中間決算セールです。

2. 型落ちモデル・整備済み品を検討する

最新モデルにこだわらなければ、1世代前の「型落ちモデル」やメーカー認定の整備済み品(リファービッシュ品)がかなりお得です。性能は現行モデルとほとんど変わらないのに、20〜40%安く買えることも珍しくありません。

3. BTOメーカーで必要スペックだけに絞る

BTO(Build To Order:受注生産)のパソコンなら、必要なスペックだけを選んでムダなコストをカットできます。マウスコンピューターやパソコン工房、ドスパラなどが有名です。大手メーカー品と比べて同スペックで2〜5万円安いケースが多いです。

4. メモリ・SSDだけ後から増設する

メモリやSSDは後から自分で追加できるモデルも多いです。「今は最低限のメモリ(8GB)で買っておいて、メモリが値下がりしたら16GBに増設する」という作戦もアリ。ただし、購入前にそのモデルが増設に対応しているかは必ず確認してください。

5. Windows 10のまま粘らない

Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了済みです。セキュリティ更新が止まっているので、そのまま使い続けるのは危険。「値上げが落ち着くまで古いPCで耐えよう」という考えもわかりますが、セキュリティリスクを放置するコストのほうが高くつく可能性があります。古いPCがWindows 11の要件を満たさないなら、思い切って買い替えたほうが安全です。

今すぐ買うべき?待つべき?判断チェックリスト

以下に当てはまるなら、値上がり中でも早めに買い替えるのがおすすめです。

  • 今のパソコンが5年以上前のモデルで動作が遅い
  • Windows 10のままで、Windows 11にアップグレードできない
  • 仕事や学業で毎日使っていて、フリーズや起動の遅さにストレスを感じている
  • セキュリティソフトの警告が出る、またはサポート切れのOSを使っている

逆に、以下に当てはまるならもう少し待っても大丈夫です。

  • 今のパソコンが3年以内のモデルで、Windows 11が動いている
  • 用途がWeb閲覧・文書作成程度で、動作に不満がない
  • 次の決算セール(2026年9月)まで待てる

FAQ

パソコンの値上げはいつまで続きますか?

S&Pグローバル・レーティングの予測では、メモリ供給の正常化は2027〜2028年ごろとされています。2026年中に大幅な値下がりは期待しにくい状況です。ただし、セール時期を活用すれば定価より安く購入できます。

中古パソコンでも大丈夫ですか?

メーカー認定の整備済み品(リファービッシュ品)であれば、保証付きで品質も安定しているのでおすすめです。ただしフリマアプリの個人出品は当たり外れが大きいので、初心者にはメーカー公式やPC専門店の中古品をおすすめします。

メモリ8GBのパソコンで足りますか?

Web閲覧・文書作成・動画視聴が中心なら8GBでも使えますが、2026年時点では16GBが快適に使える目安です。Chromeのタブを10枚以上開いたり、ZoomとExcelを同時に使うなら16GB以上を選びましょう。

タブレットとノートPC、どっちが安く済みますか?

キーボード作業が少ないならタブレット+Bluetoothキーボードのほうが安く済むケースがあります。ただし、ExcelやWordをがっつり使うならノートPCのほうが作業効率は高いです。用途に合わせて選びましょう。

参考文献