アプリは起動するのに、特定の機能だけ動かない。そんな状態で画面右下に「Smart App Controlがこのアプリの一部をブロックしました」と出ていたら、ソフトの不具合ではなく、Windows側の保護が働いている可能性が高い。

この通知は「アプリ丸ごとブロック」とは別物で、ファイル単位で弾かれている状態を指す。2026年10月時点のMicrosoft公式ヘルプをもとに、見分け方から対処までを書く。

「一部をブロック」は、アプリ全体のブロックと何が違う?

Microsoftの公式ヘルプによると、アプリ・サービス・ハードウェア部品が、正しく署名されていないドライバーやファイルを読み込もうとしたときに出る通知だ。アプリ本体は動くが、そのファイルに頼る機能だけが動かない。

だから症状が地味になる。起動はするのに特定のボタンが反応しない、エクスポートだけ失敗する、プラグインが読み込まれない。ソフト側の不具合に見えるので、原因をソフト側に探しに行ってしまう人も多い。

ちなみにスマートアプリコントロール自体の仕組みは、Microsoftのクラウドが安全と判断できないアプリは署名を確認し、署名がないか無効なら信頼できないものとして止める、というものだ(Microsoft サポート)。

ブロックされたファイルを特定する

まず通知の「詳細情報(Learn more)」を押す。どのドライバー、アプリ、ファイルが原因かが表示される。

通知がすぐ消えて見逃したなら、履歴から追える。

  1. スタートメニューで「Windows セキュリティ」を開く
  2. 「ウイルスと脅威の防止」を選ぶ
  3. 「保護の履歴」を開く
  4. スマートアプリコントロール、またはブロックされたアプリに関する項目を探す

通知は数秒で消えることがあり、見逃したままドライバやソフトの再インストールを始めると遠回りになる。この履歴を最初に見るのが一番早い。

もう少し詳しく見たい場合は、イベントビューアーの「Microsoft-Windows-CodeIntegrity/Operational」ログにブロックの記録が残る。ブロックを示すイベントIDなどはMicrosoft Learnのイベント解説に載っている。ただしこのログは管理者向けの情報で、慣れていないなら保護の履歴だけで十分だ。

原因の見当をつける

履歴で名前がわかったら、次の3方向で考える。

ブロックされたものありがちな原因まず試すこと
アプリのフォルダ内のDLL署名がない古いプラグインや補助ファイル配布元で新しい版を確認
周辺機器のドライバー署名の古いメーカー製ドライバーメーカーの最新ドライバーに更新
自作・検証用ツールそもそも署名していない署名するか、使うときだけ設定を見直す

PCショップ時代にも、メーカー製の古い周辺機器ソフトが新しいセキュリティ機能と相性が悪く、更新で直った例を何度も見た。ドライバーの更新は、まず配布元の最新版を当たるのが筋だ。

なお、Microsoftの公式ページには、個別のアプリだけを例外にする方法は載っていない。「このファイルだけ許可する」は、現時点では期待しないほうがいい。

対処の順番

配布元の更新を確認する

署名付きの新しい版が出ているなら、入れ替えるだけで済む。これが一番安全だ。

代替の署名済みソフトを探す

更新が止まっているソフトなら、同じ用途の署名済みソフトに乗り換えるのも手だ。

スマートアプリコントロールをオフにする

どうしてもそのソフトが必要なら、Windows セキュリティの「アプリとブラウザーコントロール」から、スマートアプリコントロールの設定を開いてオフにできる。

オフにする前に、必ず信頼できる配布元のファイルだけを動かす前提にしてほしい。保護が外れる間は、署名のないものも通ってしまう。

戻せるかどうかは、以前は「再インストールが必要」と言われていた。Microsoftの現在のヘルプには、最近のWindows更新で、クリーンインストールなしに有効化できるようになったと書かれている。ただし任意の診断データを送信する設定がオフの場合は例外で、PCのリセットかWindowsの再インストールが要る。戻し方はこちらの記事で詳しく書いている。

※ここまでは筆者の検証機(Windows 11 24H2)での確認で、環境によって表示や選択肢は異なることがある。

防ぐには

起動しないソフトに出会ったら、ドライバーを疑う前に通知領域と保護の履歴を見る。これを習慣にするだけで、無駄な切り分けが減る。

検証用に自作したツールを使うなら、署名を付けるか、そもそも保護が必要な機体と分けて運用するのが現実的だ。

FAQ

通知が出たのにアプリは動いています。放っておいていい?

動いていても、ブロックされたファイルに頼る機能だけが使えない状態です。使っていない機能なら実害はありませんが、後で突然困ることもあるので、保護の履歴で何が止まっているかは確認しておくと安心です。

特定のDLLだけ許可する方法はある?

Microsoftの公式ヘルプには、個別のファイルやアプリを例外にする手順は載っていません。更新版への入れ替えか、機能全体のオフが現実的な選択肢です。

しばらく待てば直る?

クラウド側の判断が変わって通ることもあるとされていますが、保証はありません。急ぐ場合は配布元に問い合わせましょう。

オフにしたらもう戻せない?

現在のMicrosoftのヘルプでは、最近の更新でクリーンインストールなしに有効化できるとされています。診断データがオフのときだけ、リセットか再インストールが必要です。

参考文献